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ニュース

ソウル聖母病院、UAEに健康診断を「輸出」


2014-09-29

アブダビのショッピングモールに健診センター設立、今年末オープンへ
医療スタッフの3分の1は韓国から派遣

ソウル聖母病院が、アラブ首長国連邦(UAE)に韓国型の健康診断を輸出する。韓国の病院が中東地域に健康診断センターを設立し、運営するのは今回が初めて。今年7月、ソウル大学病院がUAEのシェイク・ハリーファ専門病院(SKSH)の委託運営者に選定されたのに続き、再び中東への韓国医療輸出が実現したことになる。

 

 ソウル聖母病院は22日午後(現地時間)、UAEのアブダビで同国のヘルスケアグループ「VPS」と健康診断センターのコンサルティングおよび委託運営契約を締結した。

 

 VPSは中東で病院9カ所、診療所26カ所、医薬品チェーン店などを運営するUAEの代表的なヘルスケア企業。現在、ソウル聖母病院のコンサルティングの下、アブダビの富裕層が利用するショッピングモール「マリーナモール」に2975平方メートル規模の健康診断センターを建設中で、年末のオープンを予定している。

 

 契約に基づき、VPSは向こう5年間にわたりアブダビの健康診断センターの運営に1000億ウォン(約104億円)を投じ、設立・運営コンサルティング費として売上高の10%(5年で100億ウォン〈約10億円〉以上)をソウル聖母病院に支払う。VPSは、同センターに勤める医療スタッフの3分の1を韓国から派遣するよう要請している。韓国の医療スタッフには米国のスタッフと同水準の待遇を約束した。

 

 VPSのシャムシール・バヤリル会長は「中東には『健康診断』という概念さえなかったが、中東で初めて韓国型の健康診断事業に参入することになった。迅速、正確、効率的な韓国型健康診断センターがアブダビに定着すれば、来年ごろにはドバイ、将来的にはほかの中東地域や北アフリカ地域にも事業を拡大していく計画だ」と話している。

 

 ソウル聖母病院とVPSの契約は、今年4月に顔合わせをしてからわずか5カ月で実現した。ソウル聖母病院などの関係者は、UAEアブダビ首長国のムハンマド皇太子が今年2月に来韓した際に同病院を視察し、韓国の医療に厚い信頼を寄せるようになったおかげだと評価している。皇太子が同病院で、入院中のUAEの患者や保護者15人と会い、韓国の医療について尋ねたところ、患者らは「韓国の医療スタッフは家族のように親切で、英国やドイツの病院よりも(医療の)レベルが高い」と口をそろえたという。特に、皇太子が見舞ったUAEの女児(4)が1年4カ月で末期の神経芽細胞腫を完治したことが、同国で大きく報じられた。

 

 UAEは自国に医大や看護大がなく、外国の医療陣に依存している。ドイツや米国、シンガポールなど海外に送る患者の診療費は年間2兆ウォン(約2080億円)に達する。ソウル聖母病院のスン・ギベ院長は「健康診断を通じてUAEの患者をさらに取り込み、がん治療などの専門分野への事業拡大、中東への本格進出の契機としたい」と話している。

 

アブダビ(UAE)= 李智恵(イ・ジヘ)記者