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ニュース: 日越EPA候補者、受け入れ希望の応募殺到- 日本語試験の要件が影響か
2013-07-23
日本との経済連携協定(EPA)に基づき、来年夏に初来日するベトナム人の看護師と介護福祉士の候補者の受け入れを希望する医療機関や介護施設の数が129施設に上り、候補者150人を大幅に上回る304人の求人があったことが、キャリアブレインの取材で分かった。ベトナムとの協定では、日常会話をある程度理解できるレベルとなる日本語能力試験「N3」の合格が来日の要件となっており、施設側の期待の高さがうかがえる。
ベトナム人候補者の受け入れ事業は、昨年秋に開始。現在、看護師候補者25人と介護福祉士候補者125人が、首都ハノイで1年間の日本語研修を受けており、日本側は学費などの費用を負担している。
候補者の受け入れをあっせんする「国際厚生事業団」(JICWELS、東京)が6月11日から7月12日まで、受け入れを希望する医療機関や介護施設を募ったところ、看護師候補者は26施設、介護福祉士候補者では103施設から申し込みがあった。1施設当たりの求人数は2-5人と決まっている中、看護師候補者は59人、介護福祉士候補者では245人の応募があったという。
JICWELSの担当者は、「日本語試験の要件の受け止めがよかったことに加え、宗教的な側面も影響したようだ」と話す。
日本側が受け入れる候補者数は、インドネシアとフィリピンの場合、受け入れを希望する施設数を基に決めるが、ベトナムについては、日本語能力試験の合格が要件となっているため、予算などとの関係上、あらかじめ人数が定められている。N3の合格者数は来年2月に確定するが、最終的な候補者数は150人を下回る見込みだ。来日する候補者と施設側とのマッチングは、2月の初めから4月にかけて行われる。
候補者は来年6月にも来日するが、ベトナムの看護や福祉の事情に詳しいNPO法人「AHPネットワークス」の二文字屋修専務理事は、「日本語研修が終了後、来日までの約半年間は自宅学習が中心となり、その間の日本語能力の低下が懸念される。そのための研修体制を整備する必要がある」と話している。【敦賀陽平】
キャリアブレイン 2013.7.22
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/40462.html