医療産業の海外戦略コンサルティング企業  ㈱ボーラボ

お気軽にお問い合わせください お問い合わせ 海外医療の求人・就職
海外の病院などをご紹介、まずはご登録ください。
求人フォーム

海外医療機関などご紹介
まずはご登録ください。

求人登録フォーム

ニュース

ニュース: 旭川医大、遠隔医療システムをロシアやインドに輸出


2013-07-01

旭川医科大学が遠隔医療システムの輸出拡大に乗り出すことが分かった。2015~16年をメドに、国内・海外で培った画像診断の技術・ノウハウをロシアへ、健康医療情報管理のシステムをインドへ提供する方針。医師不足や地域医療格差の問題を緩和するシステムとして、国際的なネットワーク化を推進する狙いだ。

 旭医大は94年から遠隔医療を開始。99年に全診療科に対応した日本唯一の「遠隔医療センター」を開いた。光ファイバー回線網を活用し、立体ハイビジョン(3D―HD)動画方式による画像読影診断や眼科診療、手術支援などを展開中。道内外50の医療機関と結んでいる。

 海外では米、シンガポール、タイに加え昨年、中国政府との間で4医療機関と結んだ遠隔医療プロジェクトを始めた。

 遠隔医療システムを国際的に広げるため、新たにロシアへの輸出を計画する。旭医大が持つ技術や機器、ソフト、運営ノウハウなどを供与。遠隔医療センターと結び、動画などを見ながら、疾病ごとに必要な画像の量や肉眼との違いを踏まえた治療方法を指南することなどを想定する。

 ロシア・サハリンと北海道は医療分野でつながりがあり、遠隔医療の需要は高いとみている。「ロシア全土に広げるため、医療過疎地域とのネットワークの整備や作り方なども支援していく形になる」(吉田晃敏学長)という。

 インドには健康医療情報管理システムの供与を計画する。遠隔医療センターで開発・稼働した「ウェルネットリンク」をインド仕様にして提供する。当初は患者のカルテ情報をサーバーに保管・共有するシステムから始める。「インドは紙のカルテを持ち歩くことが多く、ICT(情報通信技術)を使ったカルテ管理は必須」(同)という。

 将来はインドの住民自身が随時、サイトに接続し、健康診断などの情報を入力保存して管理。医療機関からの情報や管理栄養士の助言も受けられるほか、医師が診察に生かせるシステムの構築をめざす。

 いずれも政府、医療機関、民間企業、地方自治体など提携先を調整しており、実現を図る計画だ。

 

 旭医大は国際貢献も視野に順次、遠隔医療のネットワーク国を広げたい考え。大規模災害時の被災地で遠隔医療システムが稼働できる体制作りも進めたいとしている。

 

日経新聞2013.6.28

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFC2700E_X20C13A6L41000/