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ニュース: 東芝がマレーシアに放射線がん治療施設輸出へ、16年納入目指す
2013-07-26
[東京 25日 ロイター] - 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は25日、マレーシア政府が全額出資するファンドと同国への放射線がん治療施設導入に向けた覚書を締結したと発表した。
がん治療施設の導入に適した病院の選定など事業計画立案のための調査を開始し、2014年7月までに調査結果をまとめる予定。16年には現地への納入を目指す。
マレーシアに納入するのは放射線の一種である重粒子線を利用したがん治療施設で、炭素イオンを光の速さの70%まで加速してがん細胞に照射する放射線治療。がん細胞にピンポイントで照射できるため、従来のエックス線治療などに比べて正常な細胞を傷つけにくいという点で優れている。
受注額は今後の調査を通して決まるが、100億―300億円規模の見通し。マレーシア側の施設購入資金については今後ファンドによる出資や国際協力銀行(JBIC)による融資などを検討する。重粒子線がん治療の最先端開発拠点である独立行政法人の放射線医学総合研究所(千葉県千葉市)が現地で放射線技師を育成し、東芝を支援する。
日本政府は最先端の治療機器など医療の輸出を成長戦略の柱の1つにしており、安倍首相が25日からマレーシアなど東南アジア3カ国を訪問。各国の首脳と会談し、成長戦略の推進に向けて関係強化を図る方針。
東芝は放射線医学総合研究所に同施設をすでに納入しており、昨年1月には神奈川県立がんセンターから一括受注。海外では今年5月に覚書を締結したアブダビ首長国に続いて2カ国目。中国などアジアでもすでに提案活動を実施しており、今後は欧米への輸出も目指す。
ロイター 2013.7.25
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE96O00D20130725