医療産業の海外戦略コンサルティング企業  ㈱ボーラボ

お気軽にお問い合わせください お問い合わせ 海外医療の求人・就職
海外の病院などをご紹介、まずはご登録ください。
求人フォーム

海外医療機関などご紹介
まずはご登録ください。

求人登録フォーム

ニュース

ニュース: 大商、医療機器の海外輸出を支援 医師ら招き使用法指導


2013-05-28

大阪商工会議所は国内メーカー製医療機器の海外での普及促進に向けた支援を始める。新興国を中心に海外の医療従事者を日本に招いて機器を試す機会を設け、操作手順も指導する。医療機器は現場の習熟度合いが採否を左右する。購入決定権を持つ医師が実機に触れて機器の優秀さを実感すれば、今後の海外展開に有利と判断した。

 第1弾として10月に、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)のトレーニング施設を使い、サンメディカル技術研究所(長野県諏訪市)製の人工心臓を動物の体内に埋め込む実技指導をする。関西イノベーション国際戦略総合特区の事業として実施する。大商は特区の財政措置で費用を手当てする。

 指導を受ける海外の医師は6~8人。人工心臓があまり普及していないシンガポールや中国、中東諸国からの招へいを検討中だ。大商は外国人医師の受け入れや事業全体の事務を担当する。

 国循は国内の医師に対する実技指導で豊富な実績がある。実際に人工心臓を埋め込む手術も多く手掛けている。トレーニングでは埋め込み手術や、患者の術後管理などのノウハウが学べるような院内視察などを組む予定だ。

 人工心臓以外の機器も紹介する。エコウス(大阪市中央区)が開発した、医師の頭部に装着して手術の様子を撮影する術野カメラや、ニプロが販売する体外循環装置(心臓と肺の機能を代替)も売り込む。将来は医師だけでなく、看護師や機器を操作する技師への指導も対象にする方針。日本に招くだけでなく、必要があれば指導者の海外派遣も検討する。

 大商は国循を手始めに、他の医療機関などと連携して、トレーニング対象を人工心臓以外の医療機器にも広げる。当面は国内で販売実績がある機器が対象だが、いずれは大商が実施しているマッチングで製品化した機器の売り込みにも活用したい意向だ。

 大商は医療機器の開発支援で、国内有数の実績を持つ。技術力の高い中小企業と医療現場のニーズをマッチングさせる「次世代医療システム産業化フォーラム」で事業化にこぎ着けた案件は130件を超える。

 米NPOでバイオ産業育成のための産官学連携を担うバイオビジネス・アライアンス・オブ・ミネソタやシンガポール科学技術庁とも医療機器開発で提携している。先端医療機器の開発を後押しする任意団体「日本の技術をいのちのために委員会」を研究者らが2009年に立ち上げた際もいち早く支援に乗り出した。

 

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンなど海外の医療機器大手は充実したトレーニング体制を武器に高い世界シェアを獲得した。大商は関西だけにとどまらず、広く国内各地の企業と手を携え、日本製医療機器の世界的な普及を促す考えだ。

 

日経新聞 2013/5/28

http://www.nikkei.com/article/DGXNASHD2402G_X20C13A5LDA000/