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補聴器のリオン、ベトナム進出 国立病院と組む


2017-08-24

補聴器のリオン、ベトナム進出 国立病院と組む

 

 補聴器の国内最大手、リオンがベトナムに進出する。清水健一社長が23日、方針を発表した。清水社長は「国内事業は安定している。課題は海外。東南アジア、特にベトナムに力を入れる」と述べ、本格的に海外展開に乗り出す考えを示した。先進国は海外勢が固めており、リオンの世界シェアは2%程度にとどまる。経済成長の副作用として騒音が社会問題化しているベトナムを足がかりに未成熟の東南ア市場で主導権を握る狙いだ。

 ベトナムの国立病院と組んで、市場開拓を始める。2016年に共同で設立した聴覚検査センターは年間約6000人が利用。17年7月には国立機関と共同で難聴や騒音問題に関するセミナーを開いたほか、ベトナム民間航空局と航空機の騒音測定技術で協力する覚書を結んだ。清水社長は「聴覚検査だけでなく騒音分野全体に取り組みを広げていく」と強調した。

 リオンは国内の補聴器市場で2~3割のシェアを握るとみられるが、海外は欧米勢がひしめき存在感を示せていない。独シバントスやデンマークのオーティコンなど大手6社で世界販売台数の9割超を占め、リオンのシェアはわずか2%程度とみられる。補聴器が普及している先進国にこれから切り込むのは難しく「デンマークなどに拠点を設けているがなかなか手が着かない」(清水社長)状況だ。

 そこで商機を見いだすのが東南ア市場だ。中でもベトナムでは国際協力機構(JICA)の事業に協力して聴覚検査の普及活動を手がけた実績があることや、テレビ番組で紹介されたことでリオン製品の知名度が高いことなどから、まず同国で足場を固める。

 ベトナムでは騒音が社会問題化している。難聴者が200万人程度いるとされる。小児期の中耳炎を原因とする患者も含まれるが、工場や職場での騒音も難聴を引き起こしている。リオンは設立した聴覚検査センターの受診者に現地での販売店を紹介することで、売り上げに結びつけるほか、騒音問題に関する啓蒙活動を展開するなどして草の根から攻める。ベトナム展開が成功した暁には同様のビジネスモデルを東南アに広げる。

 清水社長は「新興国向けに低価格品を出しても利益につながらない。日本と同様の高付加価値品で勝負したい」と話す。国立病院や航空局といった公的機関との協力関係を強化することで、制度面からもリオンに有利な競争環境を整える。

出所:日経新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ23HBA_T20C17A8000000/