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国保悪用の外国人急増 留学と偽り入国、高額医療費逃れ 厚労省、制度・運用見直し検討


2017-01-07

医療目的で来日する外国人は国民健康保険(国保)に加入できないため、「留学」などと入国目的を偽って国保に加入し、1~3割の自己負担で高額な治療を受けて帰国する不正な事例が増加していることが5日、複数の医療関係者への取材で分かった。患者の多くは中国や、その他のアジア地域から来ているとみられている。厚生労働省もこの事実を把握しており、国保の制度や運用の改善など対応策の検討を始めた。

 複数の関係者によると、悪用がみられているのは、肝炎の治療や高額な抗がん剤、移植医療など。がん治療薬「オプジーボ」をはじめ薬剤の高額化が進む中、政府が進める医療ツーリズムで日本の公的医療保険制度が悪用されればさらなる医療費増大につながる。関係者は「保険制度の隙間を埋めるだけでなく、在留資格の適正な管理も必要だ」と訴えている。

 医療目的で来日する外国人は本来、医療滞在ビザを取る必要がある。国保に加入できず医療費は全額自己負担だ。しかし、「留学」や「経営」などと目的を偽ってビザを取得し、日本で国保に加入した後に高額な治療を受け、帰国するケースがあるという。

 留学などで日本に3カ月以上在留する外国人は国保への加入が義務づけられており、医療は1~3割の自己負担で受けられる。前年度の収入がないため保険料は最低額(月数千円程度)で済み、高額な医療費がかかった場合に治療費を払い戻す「高額療養費制度」も使うことができる。

 厚労省によると、以前は国保の加入には1年の在留期間を満たすことが必要だったが、平成24年の住民基本台帳法改正により、3カ月以上の滞在で加入が義務づけられるようになった。このように国保加入のハードルが下がったことや医療の高額化などにより、支払額に上限がある日本の医療制度の「魅力」が高まっていることが悪用の背景にあるとみられる。

 こうした悪用については、日本にいる行政書士らが“ブローカー”として手口を指南する例も多いとされる。事態を重くみた厚労省は市町村などから情報を収集するとともに、国保加入や給付の際により厳正な審査や確認を行うなどの対応策の検討を始めた。

 問題に詳しいNTT東日本関東病院(東京都品川区)の海老原功氏は「日本に居住していない多くの外国人に制度を悪用されてしまったら、日本の医療保険制度が崩壊するのではないか」と危惧している。(道丸摩耶)

http://www.sankei.com/affairs/amp/170106/afr1701060006-a.html#i-D6A1B458-55BE-418C-BF92-A82C5ECB99EF