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ニュース: 医療経営に外資が注目 ベトナム、病院不足で需要急増


2013-04-12

所得水準が向上し高齢化が進む半面、一定水準の医療サービスを提供できる病院が不足しているベトナムで、医療福祉事業が高い収益性が見込めるとして民間投資家の注目を集めている。現地紙ベトナム・インベストメント・レビューが伝えた。

 ベトナムでは官民いずれの医療機関も医療サービスの需要急増に対応しきれていない。一部の公立病院では病床が不足し、数人の入院患者が1台のベッドを共有しているありさまだ。ベトナムの高所得層の間では、治療目的で米国やシンガポール、タイ、韓国、中国に渡航するケースも少なくない。

 ベトナム外務省の推計によるとベトナム人が国外で支払う医療費は年間20億ドル(約1990億円)に上り、国内外の投資家にとってベトナムの医療分野が魅力的であることを裏付ける。

 同国北部ハイズオン省で病床数200床の病院建設を計画している加トリプル・アイ・インフラストラクチャーの幹部は、ベトナム人の医療費国外支出額が実際には年間50億ドルほどに達すると推計。国内で高水準の医療サービスを提供すれば、1~2%は獲得できると計算する。

マレーシアの病院経営会社コロンビア・アジア・グループは昨年4月に開業したコロンビア・ホスピタル・ビンズオンをはじめ、南部商業都市のホーチミンおよび近郊の計3カ所で病院や診療所を経営している。同社がベトナムで初めて病院を開業した1998年には患者の大半が外国人だった。しかし、同国の生活水準が上昇するにつれてベトナム人患者の割合が増加。2001年の20%から12年には80~85%に達したという。

 シンガポールとベトナムの合弁会社ホアラム・シャングリラ・ヘルスケアは4億ドルを投じてホーチミンにハイテク医療地区の開発を進めており、年内にもオープンする見通しだ。シンガポールに拠点を置く民間医療グループのパークウェイヘルスは、同区域にシティー・インターナショナル病院を開業予定。世界水準の総合医療サービスと医療施設を提供するという。今後、ベトナムの医療分野で外資の参入が活発化しそうだ。

(Sankei Biz シンガポール支局 2013.4.12

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130412/mcb1304120502009-n1.htm