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ニュース:中国で会いましょう…速度上げる世界の病院


2014-12-16

シンガポールの中心街にあるマウントエリザベス病院に入るとホテルに来ているような雰囲気が感じられる。実際に入院料はホテルに勝るとも劣らない。最も高いロイヤルスイートのうち最上級は1泊9298シンガポールドル(約85万円)だ。途方もない金額だがアジア各国の富裕層と企業家、政治家らで賑わっている。

  言葉がまともに通じるだろうかという心配はしなくても良い。英語とフランス語はもちろん、中国語、日本語、ロシア語からベトナム語、マレー語まで通訳する人材が常駐している。予約はどこの国からでも自宅の居間ですることができる。この病院のホームページにアクセスし基本情報を入力すれば良い。国籍と名前、旅券番号、電話番号、生年月日を記入し、症状とともに診療希望時期を書いて出せば良い。この段階では英語を使うが、基本情報だけの入力なので大きな困難はない。電話をかけて直接予約することもできる。

  世界的に病院産業が新しいブルーオーシャンに浮上している。高齢化とともに国民所得の増加により医療需要が爆発的に増えているためだ。世界銀行によると世界の医療市場規模は2005年の4兆6000億ドルから年平均7%ずつ成長し、2012年に7兆3000億ドルに達すると推定されている。市場がこのように膨張すると、病院が国境を超えた医療サービス輸出に本格的に参入し始めた。これまで病院は主に内国人を対象に営業し、せいぜい外国人患者を自国に呼び入れて治療をした。

  現在先進国の医療供給能力は飽和状態だ。一方で経済が急成長している新興国では医療需要が爆発的に増加している。こうしたことから各国の病院が海外へと素早く視線を転じている。最も代表的な事例はマレーシアに拠点を置いた病院グループのIHHヘルスケアだ。この病院はシンガポールのマウントエリザベス病院をはじめ、アジア主要地域に営業網を拡張している。IHHヘルスケアは時価総額基準で世界最大の米HCAに次いで世界2位の規模を誇る。華僑、マレー系、インド系が入り混じる多民族国家のため他の文化に対する理解が高く、アジア最大の病院グループに浮び上がった。

  この病院が集中的に進出してきたところは地理的・文化的利点を活用できる中国とインドだ。最近では中東にも積極的に進出している。イラクではすでに営業を始めており、アラブ首長国連邦にも進出を急いでいる。今後これら3地域で病院19カ所を新設したり増設し、現在の6000病床から1万病床に拡大することにした。海外ネットワークを素早く拡大するほど市場を先取りできるという計算からだ。しかも海外営業網を拡大するほどスケールメリットが可能になり、コストを減らし収益を増やすことができる。

中でも13億5000万人の人口を足がかりに医療サービス市場が急成長する中国が核心攻略対象だ。同病院関係者は、「10年後には病院売り上げの半分を中国で上げることになるだろう」と話した。こうした期待は中国の急増する医療費を狙っている。中国の1人当たり医療費支出額は現在世界93位にすぎないが、国民所得の増加とともに急速に増加している。貿易協会のアン・グンベ政策協力室長は、「中国は2007年に1人当たり医療費として113ドルを支出したが、2012年には321ドルを支出し年平均23.2%の成長率を見せている。各国が中国の医療産業をめぐって角逐戦を行っている理由だ」と話した。

  中国の医療需要急増は人口構造の変化が背景だ。2012年に中国の65歳以上の高齢者人口の割合は8.67%に達する。すでに高齢化社会基準である7%を超え高齢化が進行している。その上所得増加、労働者の活発な移動にともなう伝染病流行、深刻な環境問題により健康に対する関心が高まり、高級・ウェルビーイング型医療サービスに対する需要が急増している。成人病患者も急速に増加している。昨年糖尿病患者数は9840万人に達したが2035年には1億4000万人に増えるものと観測される。このように医療需要が急増すると、中国は積極的に病院を海外から輸入するほかない状況になった。

  中国政府は医療需要が増加傾向を見せ始めた1989年に海外の華僑病院に中国国内での設立を認め医療市場を開放してきた。2000年には外国資本の医療法人設立が制限的に認められ、2012年には残っていた規制もすべて解除した。これを受け四川省は外国人投資家の出資を90%まで認め、上海、北京、海南を含んだ7地域は今年から外国人投資家による民営病院設立を認めた。

  これに対し主要国は足早に動いている。マレーシアのIHHヘルスケアが最もリードしている中で米国、台湾、シンガポール、香港の病院が中国市場に進出した。米ナスダックに上場されている医療機器販売会社のチンデックスは97年から中国に合弁で進出している。医療規制が本格的に緩和されると、中国医学科学院と合弁で和睦家病院を設立した。現在北京市内の10カ所をはじめ中国全域に17カ所のクリニックと1カ所の大型病院を運営している。この病院は平均診療時間20分以上、初診1時間以上の精密検査で中国の富裕層を引き込んでいる。それだけ料金も高い。初診料は200ドルほどだ。台湾からは22の病院が中国に進出している。このうち台湾最大グループのフォルモサが運営する長庚病院は福建省厦門に2000病床、北京に1000病床を運営している。同じ言葉と文化を武器にいち早くシェアを伸ばしている。

  ここに最近参入した国が日本だ。安倍晋三首相は昨年8月、自身が直接本部長を務める健康・医療戦略推進本部を設置した。本部傘下8つの推進機関のひとつとして医療国際化推進チームを作り、中国、ロシア、ミャンマー市場への進出を模索している。
 

2014年12月09日12時02分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

http://japanese.joins.com/article/749/193749.html