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ニュース:ソニーPC敗退:「電機復活」示せず 金融頼み医療に活路


2014-02-08

ソニーは6日、パソコン事業の撤退と、テレビ事業の分社化を決めた。かつての花形事業を整理して「出血」を抑え、金融や映画・音楽で安定した黒字を出しながら、医療などの新分野を伸ばす。ただ、「電機復活」の道筋を示せなかったことでブランドを揺るがすリスクも背負い、迷走から脱して新たな事業モデルを早期に構築できるかが問われる。【横山三加子】

 「バイオはソニーらしいデザインや機能で市場に一石を投じた。苦渋の決断だった」。平井一夫社長は厳しい表情でパソコン撤退を説明した。ソニーは1996年発売のバイオで、一度は撤退したパソコンに再参入。一時は国内2位に浮上し、出荷台数は2010年度のピーク時に870万台に達した。ところがスマホやタブレット端末の普及でパソコンは低迷、足下では赤字に陥った。13年度の出荷台数は580万台に減る見通しで「スマホとタブレットに集中すべきだ」(平井社長)と判断した。

 テレビ事業は、コスト削減と、高精細の4Kテレビなど高付加価値商品の販売拡大で、14年3月期の黒字を目指していた。しかし、新興国で販売が伸びず、250億円の赤字となる見通しだ。平井社長は「分社化で自動的に赤字が解消するわけではない」と指摘、給与水準見直しなどの人件費削減に踏み切る可能性がある。ただ、販売が伸び悩んだままでは、収益改善効果は限定的になりそう。次世代テレビなどで競争力を回復できないと、一段の対応を迫られる。

 電機事業では、ルネサスエレクトロニクスから工場を買収し、スマホのカメラなどに使う半導体を強化するなど、スマホを中核に据える方針だ。ただ13年度のスマホ出荷台数は、従来の見通しから200万台減の4000万台に下方修正。安価な中国製品などが台頭する中、今後も成長のエンジン役を担える保証はない。

 ソニーは13年3月期の営業利益の約6割を銀行や保険などの金融で稼ぎ、「何の会社かわからない」(中堅社員)との声が上がる。ソニーは90年代後半以降、1万〜2万人規模のリストラを断続的に行ってきたが、米アップルのような革新的な製品を出せず、存在感は低下。オリンパスとの新会社設立で、医療事業を20年までに売上高2000億円規模に育てる方針だが、米格付け会社がソニーを投機的水準に格下げするなど、成長戦略への評価は定まっていない。

テレビなどのデジタル家電では、韓国や中国メーカーが台頭。競争力を失った国内勢は、電子部品や社会インフラなどの企業向け取引へのシフトを進めている。

 パナソニックは自動車向けのセンサーや電池などで収益を回復。NECは赤字のスマホ事業から撤退し、企業向けのITシステム事業などに集中している。東芝もテレビ工場をインドネシアに集約するなどしてコスト削減を進め、13年10〜12月期に黒字転換した。東芝や日立などは、鉄道や電力など新興国を中心に成長余地が大きいインフラ事業を拡大している。

 ソニーも企業向けに軸足を移そうとしているが、エレクトロニクスやゲーム、パソコンなどは「消費者向けの革新的な製品の開発が中心だった」(幹部)ため、企業向けで強いとは言えず、立て直しに苦戦している。そもそも国内メーカーが信頼されるのは、テレビなどの家電でブランド力を高めた成果だ。消費者から遠のくことで、競争力の低下も懸念される。


2014年2月6日
毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/20140207k0000m020098000c2.html