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ニュース:国民医療費が40兆円突破したとみられる


2013-12-09

   日本経済新聞は毎週日曜日、国内外の重要なテーマについて各界の論客の意見を紹介する「創論・時論」を掲載しています。これにあわせて電子版では読者アンケートを実施しています。今回の質問は(1)医療費と国民負担の関係についてどう考えるか(2)「混合診療の禁止」についてどう考えるか――です。皆さんのご意見をお聞かせください。選択肢にない回答などもコメント欄で受け付けます。
   
   年間の国民医療費は40兆円を突破したとみられています。国民医療費が増えれば健康保険料、消費税などの税、
赤字国債、病院などでの窓口負担のどれか、またはすべてを増やさざるを得ません。なかでも高齢者が使う医療費は伸びが著しく、全体の約45%を70歳以上の人が消費しています。厚生労働省が集計した概算医療費によると、2012年度の1人あたりの医療費は69歳以下が18万1000円ですが、70歳以上は80万4000円、さらに75歳以上の後期高齢者にかぎると91万5000円です。後期高齢者は現役世代の5倍を使っている計算になります。
   
   日本は半世紀あまり前の1961年に国民皆保険体制を確立させました。国内に住む人すべてが原則として公的な健康保険制度に強制的に加入させられ、毎月、健康保険料を払う見返りに、いざ病気やけがをしたときは比較的、安い窓口負担で診療を受けられる制度です。しかし近年は国民と企業が負担する保険料だけで医療費をまかなうのがむずかしくなっています。

   そこで、民主党政権は社会保障・税一体改革を始動させ、当時は野党だった自民、公明両党との3党合意にもとづき、消費税率の引き上げを決めました。合意を引きついだ安倍政権は14年4月に税率を8%に上げます。さらに15年10月には10%への引き上げが予定されています。それでも医療費の伸びをまかないきれず、国・地方自治体の財政の基礎収支(プライマリーバランス)を20年度に黒字転換させるという政権の国際公約は、達成が容易ではありません。
 
   技術革新のスピードが速まっていることも医療費の膨張を招いています。とくにがん治療の分野などでは各国の製薬会社が高価な新薬の開発にしのぎを削っています。こうした薬の恩恵を患者が受けられるようにするのが理想ですが、画期的な新薬すべてを公的な健康保険の対象にするのは難しいのが現状です。

  
日本は健康保険が利く保険診療と自由診療(保険外診療)を患者が併用して受けることを原則として禁止しています。両方を一緒に受けた場合には、本来は保険が利く診療行為の医療費も、全額が患者の負担になります。これは「混合診療の禁止」と呼ばれ、患者の選択を狭めているという批判があります。



2013/12/8  日本経済新聞

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGH03002_T01C13A2000000/