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ニュース: 公立病院初の海外進出 都立駒込病院、インドネシアでがん治療


2013-10-22

がんや感染症の治療で実績を持つ東京都立駒込病院がインドネシア進出を検討していることが21日、分かった。現地の公立病院と提携して診療所を開設し、消化器系のがんなどの治療を実施する計画だ。公立病院の海外進出は初めてで、海外に日本の高度な医療技術を売り込む成長戦略の具体例となる。政府は慢性的な経営難にある公立病院の収益改善も見込む。

 駒込病院が進出を検討しているのは、日系企業など製造業が集積するインドネシア西ジャワ州ブカシ県。同県の県立病院と共同で医療施設を数年内に開設する。駒込病院の医師団が定期訪問して患者を治療するほか、現地で医師を育成、技術提供する。病院の開業時期や病床数などは日本政府とブカシ県で調整中だ。

 駒込病院は大腸がんなど消化器系のがんや、エイズなど感染症の治療で全国的に知られる。がん治療では排尿などの身体機能を温存したままがんを切除する手術など高度な技術を持つ。インドネシアでは経済成長とともにより高度医療への需要も高まっており、ブカシ県側が日本政府に医療機関の進出を求めていた。

 内閣官房の健康・医療戦略室によると、公立病院が海外に拠点を置いて医療を提供する初の事例となる。自治体などが運営する病院は、民間の医療機関が手掛けない専門性の高い治療を担うことが多い一方、経営状態は厳しい。総務省は自治体に公立病院改革プランを作るよう求め、経営効率化を促してきた。それでも2011年度は11億円の最終赤字だった。

 進出が実現し技術指導料などの形で病院の収入が増えれば、病院収益の改善に結び付く。病院への評価が高まり、海外から日本に治療を受けに来る「医療ツーリズム」の拡大効果も期待できる。現場の医師も多様な症例に接する経験を積むことで技術力を向上できる。

 

 政府は国民の所得水準がまだ低いインドネシアで医療行為を受けやすくするため、民間の保険会社を通じた医療保険の販売も後押しする方針。保険契約者は低額の医療費で治療を受けられるようになる。一定規模の患者数を見込んだ病院経営ができるようになる。

 

日経新聞 2013/10/21

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0200M_R21C13A0MM0000/