サウジで医療用装着ロボ　サイバーダイン

サウジで医療用装着ロボ　サイバーダイン

　筑波大学発ベンチャーのサイバーダインは９日、装着型ロボットの医療機器としての販売・製造がサウジアラビアで承認されたと発表した。脊髄損傷などで下半身がマヒした患者を対象に、ロボットを使った治療を９月にも始める。同社製ロボットの医療機器承認は欧州連合（ＥＵ）、日本に続き３カ所目となる。

　提携先の大手企業グループ「アブドゥル・ラティフ・ジャミール」（ＡＬＪ）が所有する医療機関向けに、装着型ロボット「医療用ＨＡＬ」８台を導入する。脊髄損傷や脳卒中などで下半身がマヒした患者が装着し、歩行機能の回復を図る。日本で製造したロボットをサウジに輸出する。

　サイバーダインは昨年、サウジアラビア食品医薬品局（ＳＦＤＡ）に装着型ロボットの医療機器承認を申請。欧州や日本で得た臨床試験（治験）データを提出した。

　今後はＡＬＪと協力し、装着型ロボットへの保険適用を目指す。サウジ国内でＡＬＪの連携医療機関への導入も進める。

　今春にサウジ国王が来日したのを機に、ＡＬＪと連携に向けた覚書を交わした。サウジ国内では交通事故が多発するため脊髄損傷の後遺障害患者が多く、ロボットによる治療で貢献する。

　サイバーダインは米食品医薬品局（ＦＤＡ）にも装着型ロボットの医療機器承認を申請中。収益源の拡大に向け、海外市場の開拓を進めている。

出所：日経新聞