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膵臓ドックなどオプション検査を拡充 海外富裕層の利用も急増中 国立国際医療研究センター病院


2016-09-12

著名人のがんが報じられると、「自分は大丈夫だろうか」と思う人も多いだろう。中でも、膵(すい)がんは、胃の裏側に膵臓が位置するため、健診や人間ドックで発見しづらく、進行も早いために治療の難しいがんのひとつとされている。また、肺がんや大腸がん、さらには脳の病気など、自分の身体に起こりうる異変を早くキャッチしたいと願う人は少なくない。

 そんなニーズに応えるべく、国立国際医療研究センター病院が今年5月、新たに人間ドックセンターを開設した。同病院は、前身の国立東京第一病院時代の1954年に、国内初の「短期入院精密身体検査」を人間ドックと称して開始し、その名称を全国に広めた歴史を持つ。

 「当院の従来の人間ドックは、各診療科をめぐっていただく形で、受診者の方々にご不便をかけていました。ひとつのフロアで受診でき、最新式の医療機器を用いて詳細な検査を受けていただくため、人間ドックセンターを開設しました」

 こう話す人間ドックセンター長を兼務する矢野哲副病院長(61)は、産婦人科領域治療のエキスパートであり、2013年に東大病院から着任以来、産婦人科の充実に力を注いできた。2014年には、難治性不妊症に対する体外受精など、高度生殖医療を開始して軌道に乗せた。

 一方で、早期発見と早期治療のための人間ドックの進展にも尽力している。

 「基本のコースでがんや生活習慣病などのチェックは行えますが、全身の炎症の有無を調べるPET(ポジトロン断層法)検査など、オプション検査のニーズは非常に高まっています。そこで、早期発見の難しい膵臓ドックなど、新たなオプション検査を導入しました」

矢野副病院長によれば、人間ドックセンターの開設以来、1日の受診者限度数を5人から30人に拡大したところ、海外の富裕層の利用者も急増しているという。外国人が医療サービスを受ける旅行をメディカル・ツーリズムというが、1泊2日の人間ドックを受けて、日本の観光名所も楽しむ人は増加している。そんな人々の受け皿にもなっているのだ。

 「当院は、もともと国際的に通用する体制を整えています。中央検査部門では、臨床検査室国際規格のISO15189を取得しました。国際化をさらに推し進めることで、国内外の方々へより充実した医療を提供できると考えています」

 訪日外国人が年々増え続ける中、国内はもとより外国人の医療ニーズも高まっている。もちろん、世界最速ともいうべき超高齢化社会の日本では、病気についての関心は高い。いずれのニーズにも応えられる体制を矢野副病院長は目指している。

 「当院の人間ドックは老舗ですから、その技術、知識、経験などを生かし、これからもみなさんの健康増進に寄与していきたいと思います」と話す。

 早期発見・早期治療のために邁進(まいしん)中だ。 (安達純子)

http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20160831/dct1608310830002-n2.htm