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ニュース:富山大など、羊膜を使い再生医療 角膜や脳硬膜に移植


2014-01-22

富山大学は富山県内に拠点がある中小企業などと独自の再生医療を事業にする。ヒトの胎児を包む羊膜を活用し、技術提供する企業を通じ3年以内に医療現場で使えるようにする。政府が成長戦略の柱として再生医療の実用化を後押しする方針を掲げる中、地方発の産学連携により独自手法の普及を目指す。

 医学部の二階堂敏雄教授がマイクロ波や遠赤外線を当てて羊膜の水分を蒸発させ、性質をそのままに乾燥させる技術を開発した。この羊膜を、一部が損なわれた目の角膜や脳硬膜などに移植して組織を回復させる。既に国内の製法特許を取得し、欧米でも申請中だ。

 羊膜は保存が難しいが、新手法は2年間効果を保つという。約100件の臨床研究を重ね、拒絶反応や病気の再発がないことも確認した。羊膜は通常廃棄されており、国内の医療機関から提供を受ける見通しだ。

 富山大はポンプ機器のポエック(広島県福山市)、富山に拠点を持つ機械メーカーのTSS(東京・品川)が今月設立する新会社に技術供与。2017年までに医薬品医療機器総合機構の認可を得て2センチメートル角のシートを約4万円で売り出す。発売から5年目で400億円の売上高を目指す。

 羊膜には幹細胞と呼ぶ特殊な細胞が含まれ、骨や神経、心臓などの病巣部に移植すると機能を失った組織が再生する。iPS細胞のようにあらゆる組織や臓器に育つわけではないが、比較的安価な再生医療用の素材として期待されている。

 安倍政権は再生医療分野の産業育成へ法整備を進める。昨秋には再生医療製品の早期承認につながる改正薬事法が成立し年内に施行される見通しだ。治験で安全性が確認できた時点で承認し、販売までの期間を短くして投資回収しやすくする。

2014年1月22日
日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB1702X_S4A120C1MM0000/