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ニュース: インドネシア所得増 喫煙を助長 医療費軽減へ規制・増税も効果薄


2013-07-03

インドネシアは政府による規制や増税にもかかわらず喫煙者が増加している。皮肉にも経済成長が喫煙を助長している格好だ。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。

 国立インドネシア大学は、政府が規制強化などの対策を講じない場合、同国の喫煙者数は現在の7400万人から2020年に1億4000万人に増加すると予想。将来的に医療費が増加する恐れなどがあり、専門家の間で懸念が広がっている。

 国際非政府組織(NGO)の東南アジア・たばこ規制連盟(SEATC)によると、01年にインドネシアでたばこが原因とみられる疾病による死亡者数は2万人。同様の疾病に対する国の医療費支出は125兆9000億ルピア(当時のレートで約1兆4980億円)で、たばこ税収の7.5倍だった。

 こうした状況に加えて、若年層の喫煙が野放しだとする国際的な批判もあり、インドネシア政府は昨年12月、たばこ規制策を講じると発表した。18歳未満や妊婦への販売を禁じ、製品外装の40%のスペースを使った警告表示を命じるほか、たばこ製品のメディアでの広告に制限を設けるなどの内容だ。

 

 しかし、同規制は違反した場合の罰則規定がないことなどから、効果を疑問視する声が多い。さらにインドネシア政界はたばこ業界から献金を受けている政治家が多く、たばこ業者が「順応するため」として同規制の適用に対して18カ月の猶予期間が設けられたこともあり、政府の姿勢を疑う声も後を絶たない状況が続いている。

またSEATCは、経済成長による所得上昇と中所得層の増加もインドネシアの喫煙者増の一因だと指摘している。同国で平均的な20本入りのたばこ製品100箱の購入に必要な金額は、1人当たり国内総生産(GDP)比で01年の0.06%から10年には0.03%に低下し、消費者がたばこを買いやすくなった形だ。

 同国政府は税収増を目指して12年にたばこ製品に15.5%の増税を実施。今年も8.5%の増税を実施したが、所得上昇などで吸収され、喫煙者減の効果は上がっていないという。インドネシア大学は、同国のたばこ消費量が09年の2510億本から12年には3020億本に増加したとし、今年も増加傾向が続いていると分析する。

 同大の研究者は、インドネシアのたばこ製品にかかる税率は小売価格に対して46%と、タイの70%やシンガポールの69%に比べて低いと指摘、「政府は税率を70%に引き上げるとともに、国民の喫煙に対する意識を変える努力をすべきだ」と主張した。

 

 「たばこ天国」とも言われるインドネシアで喫煙者を減らすことができるか、取り組みをはじめた同国政府の今後の動向が注目される。

 

sankeibiz 2013.7.3

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130703/mcb1307030502017-n2.htm