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ニュース: 再生医療、タイで臨床研究…阪大など市場開拓へ
2013-07-03
目の角膜の病気を再生医療で治療する臨床研究を、大阪大の研究チームが今秋からタイで始める。
武庫川女子大(兵庫県西宮市)のチームも、秋にも膝の軟骨欠損を治す臨床研究をタイで行う計画だ。日本の研究チームがアジアで再生医療の臨床研究を行うのは初めて。経済産業省所管の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」が支援する。タイは医療ツーリズム先進国で、アジアの新興国の医療拠点であるため、再生医療関連製品の市場開拓や「日本式医療」の輸出につなげる狙いがある。
西田幸二・大阪大教授(眼科)の研究チームは、薬の副作用や外傷で角膜の表面が濁り、視力が落ちた患者への治療を実施する。患者の口の粘膜から細胞を採り、シート状に培養して角膜に移植する。技術的には国内で実績を積んでおり、臨床研究では、両目の視力が著しく低下した患者20人のうち、ほぼ全員の視力が改善している。0・01以下から0・9になった人もいる。
タイでの臨床研究は、今年9月から2014年度まで、バンコク市の大学病院で患者計4人に実施する。現地の医師らに細胞の採取や移植の技術を教える。
(2013年7月2日14時35分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130702-OYT1T00694.htm?from=ylist